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1>>10>>151617181920212223 「ペット業界から熱く語れ」
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 第十八回  「ネットワークあれこれ」
 

前回のエッセイ、「春到来」からあっという間に1ヶ月。
常套句のようになってしまいましたが、時の経つのは早いものですね〜。 季節を彩る花々も桜からつつじへとバトンタッチして、これからは緑が深くなっていきます。そして、ワンちゃん達にとっては絶好のお散歩日和が続き、猫ちゃんにとっても、本格的な日向ぼっこシーズンの到来。

そういえば、時々気温が25度を超える福岡では、そろそろ道路の温度も高くなってきました。
先日、ちょっと日差しの強い、人が汗ばむような日のお散歩の途中で「どれどれ?」と道路を
手で触ってみたところ、ちょっと熱めのお風呂のような温かさでした。
あと1ヶ月もすれば、お散歩の時間帯を温かい昼間から、朝夕に変えなければならないワンちゃん達もいるのではないでしょうか。まっ、シッター自身もそちらの方が助かりますが。(笑)

さて、今回はちょっと動物達の話題からはなれて、「ネットワークあれこれ」と題して
私が感じたり、考えたり、ヘコんだり、喜んだりしていることを書いてみようと思います。

本当は、今回「動物保護のボランティア活動」について、実際に私が取り組んでみて
感じていることを書こうと思い、ここ数週間どんなふうにエッセイを綴ろうかと考えを
巡らせていたのですが、これがさっぱりまとまりませんで。。。(汗)
まとまらないということは、“今は書く時期ではないんだな”と思うに至り、
私なりの「ボランティア考」についてはもう少し熟成させることにしました。

ということで、それでは本題に入りましょう。ネットワークについてです。仕事をする上ではないよりも絶対にあった方がいいに決まっているネットワーク。
私がペットシッターを始めてみて思うことは、とにかく同業者との接点がほとんどない! ということです。意識的に何とかしようと思わない限り、自然発生的にペットシッターが交わるということは滅多にありません。まぁ、当然といえば、当然ですが...。

先日、同じ福岡でシッター業を長年やっておられる方とお話しする機会があったのですが、
『ペットシッターって孤独な仕事よぉー。』と、しみじみおっしゃってました。

私もそれを聞いて 「なるほど確かにそうだな」と思ったのですが、まぁ、これはなにもペットシッターに限ったことではないのでしょうが、立上げ当初はパートナーがいれば別ですけれども、仕事が軌道に乗って、スタッフを雇用できるまでの期間は一人で黙々と仕事をすることになります。

一人で仕事をするということ。 会社員の頃の私はこのことにかなり憧れていました。
だって、自分でいろんなことを決められて、自由な発想で思いのままに行動できるんですよ!
魅力じゃーありませんか?!(注:当時の私は一人で仕事をすることの大変さを知る由もない)

会社組織の中では1つの仕事を進めるにも多くの人が関るわけで、そうとう堅固な目的とモチベーションをもって仕事に臨んだとしても、「それをやるとこっちの部署に迷惑がかかる」、「あれをやったらあの人の顔が立たない」、「今は時期尚早」、「誰が責任を取るんだ!」などなど。。。
当初の目的が原形を留めないほどに骨抜き状態になって、結果、タイミングを逸してしまうなんてことは日常茶飯事。。。 じゃありませんか? こういう状態が続くと健やかな精神を持った人でも早晩やる気を亡くしてしまうというもの。どこかで“割り切る”ということをしないとメゲルことだらけです。

今思うに、この“割り切る”という思考の転換。これも組織の中で働く上ではとても重要な?!
能力のひとつなのかもしれませんね。

ちょっと話がそれましたが、私の場合「もう会社で働くのはコリゴリ」と思い、一念発起して
開業を果たしたものの、自由と引き換えに背負うことになってしまったその代償の重さに
早い段階から気づいてしまったのです。。。

それは一人でやる以上、評価も反省も決断もとにかく何もかも自分でやらなければ
ならないということ。それに加えて、自分の代わりがいないということから、自己管理や
例え、売上が伸び悩んでいても「なんとかなる!なんとかする!」という強い精神性も、
また目標に向う貪欲さとがむしゃらさ、そして意地(?)も必要になってきます。

「ペットシッター=大好きなペット達と仕事ができる」ということで、ソフトで簡単そうなイメージ
がつきまとうのですが、そういう側面も確かにあるものの、本気でこの仕事と向き合おうとするとやはり他の仕事と同様、眉間にシワ(?!)を寄せたくなるような問題も起こりえるということです。

覚悟はしていたことです。でも、正直なところ「あちゃぁーーーっ。大変バイこれは!」と
思ったのはまぎれもない事実でした。

で、そんな時、他のシッターさんはどうしてるのかなぁ。。。
どうやって自分を支えているのかなぁ。。
と気になり、ネット上でいろんなシッターさんのサイトを見たりして、
「みんな、頑張ってるよなぁ。ここで弱音チックなメールなんて送れないよなぁ。。。せめて情報交換だけでもできたらなぁ」とうだうだと考えつつ、自分の方からコンタクトするのを見送ってしまう。煮え切らない私がいました。

今はといいますと、積極的に私の方からアプローチしているという訳ではないのですが、地元では、とあるセミナーで偶然にも隣に座ったシッターさんと親しくさせて頂いたり、福岡で長いことシッターをやってらっしゃる方と知り合う機会にも恵まれました。
また、他のシッターさんからも「自分のサービスエリア外のお客さまの依頼に対応できない時にはお互い助け合いましょう。」というようなお申し出も頂いたりしています。 
とてもありがたいことです。 (*^_^*)

振り返るに、地元のシッターさんに対して私の方からアプローチはしてなかったなぁと
いうことに気がついたのですが、正直なところ、「競合相手だし、邪険にされるかもしれない。」
という恐れがあったのは否めません。 でも直接お会いしたり、メールなどでやり取りをさせて
頂いた印象では、皆さんとても“開いてる”んです。 私の取り越し苦労だったんですね。
このお付き合いは大切にしていきたいと思っています。

遠方では、同じ師匠(?)から学んだシッターさんから、「私のお客様が博多に引越すのでよろしくお願いしますね。」とのご連絡を頂いたり(ありがた過ぎるお話です)、千葉の先輩シッターさんにも時折メールをお送りして、励まして頂いたり、また京都からも「エッセイを読んだよ!」と男性のシッターさんから激励メールを頂戴したり、同業者の皆さんから大いにパワーをもらっている今日このごろであります。 皆さん、本当にありがとうございます。

やはり、こういうつながりは支えになります。また、同業者ということで踏み込んだ相談や情報交換ができますので、実に頼りにもなります。これからも少しずつお付き合いの輪を広げていくことができればなと思っています。


「脱・孤独」は、自分次第だということですね。

その他のネットワークづくりということでは、前にも書いたことがありますが、異業種の方との交流です。これは、業務への即効性は期待できないのですが、長い目でみると自分にとって価値あるものに出くわす機会が増え、仕事の幅が広がるというメリットがあります。

が、一度私はこの異業種交流会で苦い経験をしたことがあります。(苦笑)

ある方の紹介で、地元福岡の会社経営者の方が参加している交流会があるのですが、その交流会で「あなたの仕事についてプレゼンしてみない?」という申し出を頂き、私にとっては、ペットシッターという仕事を知ってもらう絶好の機会だ!!ということで1時間ほど開業までの経緯と、開業後の歩み、そして実績と課題と今後の目標についてお話をさせてもらいました。

この交流会は、発表後に参加者の皆さんから意見やアドバイスを頂戴できるということになっており、私のプレゼンに対して、たくさん方から多くのアドバイスや意見を自由に言ってもらいました。
で、どんなアドバイスだったかといいますと。。。

平たくいうなら「もっと儲かる仕事をしてみたらどうだろう?」ということです。(大汗)

例えば、ロスの多い仕事だね(時間と労力という点で)とか、
サービスエリアが広すぎるね、でも一度広げたものはあとから小さくできないよとか、
アルバイトを雇うのは鍵を預かるという信用面と収入面で難しいんじゃない?とか、
収入が安定しないから定期契約を増やした方がいいねとか、
セキュリティー会社と提携するってのはどお?とか、
あなたの「未来構想」を将来の夢としてではなく、今やってみるのは?とか、
あなたのプランを豪農の人に話して、彼等が遊ばせている土地を利用して施設を作ったら?とか、空いたアパートやマンションがたくさんあるから、そういう部屋を利用してペットホテルにするって話を不動産業者に持っていったら?とか、
資産家に土地の有効活用の話をしてみたら?などなど。(^.^; オホホホ 
だんだん話が大きくなっていくんです。

挙句、私が用意した資料とプレゼンの内容に対して、「これだけのプレゼン力があるのなら、
その能力を活かして仕事を変えてみたら?」ときたもんだ!! L(・o・)」 オーマイガ

いやね、これはグチでも文句でもなく、私なりに理解しているんですよ。
現役の経営者の皆さまから頂いたアドバイスの中には事業発展のヒントやキーワードが盛りだくさんに含まれているということを。そして、こんな貴重な場は滅多にないということも。当然、感謝はしているんです。

がしかし、なんですよ。これらのアドバイスは、すぐには私の中に染み渡って来なかったんです。

参加者全員が会社の社長さんという席で、「私ってちょっと場違いなんじゃない?」と萎縮していたということを差っぴいてもなんだかピンとこないんです。 ありがたいということは重々わかっているにも関わらず です。 もちろん、事業を成功させている方々がおっしゃることなので、とてつもなく説得力はあるんです。 実際私もその場の空気に呑まれて「なるほど、そうだよなぁ」と思っている。そして、自分の考えが甘すぎるのかな?とか根本的に考え方が間違ってる? という不安もムクムクと湧いてくる。

でもその一方で、具体的に何がどうとは表現できないんだけれども、なんとなく私の中で、「何かがちが〜う」とうごめいている。 しばらくの間は自分でも何が理由でしっくりこないのか分からずにいました。

私のこの悶々としたものを払拭してくれたのは、ジャジャーン! それは変幻自在(?)にコーチをしてくれる、私が頼りにしているスーパーコンサルタントのI先生でした。 
「にしやまさんが感じてるギャップってこんな感じじゃない?」と言われ、「そうそう!」と電話口で大きく頷いたんですけれども、人にいわれて初めて気づくというのも情けない話ではありますね。

大雑把な表現になりますが、私が感じていた違和感とは、高度経済成長期に日本をしょって
立とうという大きな志を持って仕事をしていた、いわゆる「おじさま世代」の目指す成功の姿と、成熟の時代に育った私たちの抱く成功像や、満足感、そして飢餓感は根本的に違うということです。

人間に例えるなら前者が骨、骨格で骨太のいわゆる男性的な発想。
後者が血管、それも毛細血管といったところでしょうか?(例えがヘン?)
価値観が細かく、しなやかというか繊細になってきているということだと思います。

当たり前のことですが、良い悪いの話ではありません。もちろん、おじさま方の中にも私たちの
この感覚を理解する方も多くいらっしゃるでしょう。その点はフォローしておきます。

と、こんな具合で、一言でネットワークといいましても、いろんなパターンがあるわけでして、 触り心地の良いネット(網)もあれば、なんだかゴツゴツしてて違和感のあるネット(網)もあるんです。それでも、今のところは選り好みせずに、いろんな網に引っかかってみようと思っている無謀な私なのでした。

いろんな方々と接してお話をさせていただくことで、自分の仕事に対する思いや夢が少しずつ
明確になってくる、ぼんやりとしていたものが、クリアになってくる、勇気と度胸は必要だけれどもだんだん「私は私でいい!」と思えるようになってくる。いや、思おうとしてるのかな。。。

そんな自分をもう一人の私が観察しています。


最後に。。。

前回のエッセイでペットの死について書かせていただきました。
そのエッセイに「お話を読んでじーんとしました」とのご感想をお寄せいただいた
トキワさまありがとうございました。 とっても励まされました。

あれから、また12歳になったばかりの大型犬が天国に召されました。
飼い主さまの目の前で息を引き取ったそうです。
電話口でそのワンちゃんの最期の時を話してくださる飼い主さまの涙声には
胸を締め付けられる思いでした。

翌日、ワンちゃんに供えてもらうためにお花を届けたのですが、飼い主さまの
悲しみの表情の中に、どこかしら安堵の思いを感じ取った私は何故かホッと
してしまいました。

安楽死の選択を目の前にして飼い主さまも本当につらかったんですよね。亡くなったワンちゃんは、まるで「そんなつらい選択をさせる訳にはいかないよ」と告げるかのように、最後の診察をしたその夜に天国にいったそうです。。。。
心から冥福を祈ります。

 

 

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